エントロピーとエンタルピーの理解は、多くの人が苦しみます。公務員試験で出題されるものは典型的なものばかり。他の受験生に差をつけるには最適な分野です。
エントロピーとエンタルピーエントロピー(S):系の乱雑さの目安。
エンタルピー(H):H=U+PVで定義されています。
ΔH>0のとき吸熱、ΔH<0のとき発熱
系の乱雑さという説明が何を意味するのかということを理解するのがなかなか難しい。エンタルピーの式を見ているだけでは問題を解くことは難しい。例があると助かります。
例@
自然に起こる反応(例えば鉄がさびる)は反応の前後でエントロピーは増加?それとも減少?
上の例は実際に公務員試験で出題されたことがあります(国2。正しいものを選びなさいというような選択式です)。増加するというのが正解で、自然に起こる反応というのがポイントです。
系って?例@と「系の乱雑さ」がどのように関わってくるのでしょう。系というのは今考えている反応のことで、A+B→Cというについて考えているとき、系というのはこの反応系ではCが生成するという感じで使います。乱雑さというのはある反応の前後で分子の数が増えるかどうかということ。詳しくはアトキンスなどの有名な教科書に載っています。
教科書の中身の理解とは別に、公務員に出題されそうな問題を演習という形で身につける必要があります。上の例のような簡単な文章ですら、エントロピー、エンタルピーをただ暗記するだけでは解くことができません。式を暗記しても式が何を意味しているのかわからないのなら問題を解いて点をとることは難しいと思います。
出題されそうな問題を解く。どんな問題が出題されるのか?という情報が少ないのが技術系公務員です。手に入れることができる参考書の種類も多くはありません。演習さえすれば、問題のレベルはそんなに高くないのですが…。
大学で使う参考書で演習を行うというのは、カバーしている範囲が多すぎます。つまり、公務員受験用としては効率がよくありません。大学の参考書は学問としての書です。
受験には受験に出題されそうな問題が載っている本で勉強する必要があります。「出題されそうな」ということが大きなポイントです。せっかく解いた問題でも出題されなければ、時間の無駄です。参考書選びが時間短縮に繋がることは間違いありません。